1本48円の「激安コーラ」は美味いのか?高級コーラ&コカ・コーラと飲み比べた結果は

 激安系のスーパーやドラッグストアなどで見かける「これ、めっちゃ安くない?」という缶飲料。「これって美味しいの?」と思ったことのある方も少なくないはず。  今回は、そのなかの「コーラ」にフォーカス。「激安コーラはコスパがいいのか?」を検証するべく、一般的なコーラに、高級コーラも交えて飲み比べてみました。

通常のコーラ「コカ・コーラ」を改めて実飲

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今回飲み比べを行った激安コーラ、コカ・コーラ・高級コーラ

 もっとも一般的なコーラと言えば、「コカ・コーラ」で異論はないでしょう。コーラって、そもそも何が入っているのかご存じでしょうか。  実はコカ・コーラのレシピは、企業の最高幹部にしか知らされていないトップ・シークレットなんです。一時はアトランタの某銀行に、レシピが融資の担保として保管されていたというほど。アメリカのラジオ番組のプロデューサーが、「レシピ発明者の手書きのレシピ写真を発見した!」と公開し新聞沙汰になったり、これまでにひと悶着もふた悶着も起こしてきたようです。  ちなみにこのレシピは「フォーミュラ」と呼ばれていて、なんか、いよいよスパイ映画みたいですね……。

コーラ

一般的なコーラ「コカ・コーラ」の250mlを110円で購入

 さて、このような情報を踏まえて、改めてコカ・コーラを飲んでみます。自販機で購入し、価格は250mlで110円。ここにも物価上昇の影響が見て取れますね。ちなみに、1本当たりのカロリーは113kcalとのこと。

コーラ

コカ・コーラの成分表

 飲んでみると……、「うん、いつものコーラ!」という感じ。適度に重さのある甘みと香り、炭酸のバランスがちょうどいい。誰もが飲んだことがあるであろう、こちらの「コカ・コーラ」をベースに、激安コーラ・高級コーラと飲み比べていきます。

1本48円の激安コーラの実力は?

コーラ

業務用スーパーで売られていた1本48円(税別)の「LASコーラ」

 では、次に激安コーラを実飲していきます。今回セレクトしたのは「神戸居留地LASコーラ」。筆者は業務スーパーで購入しましたが、各地のスーパーや、ネットショップでも販売されていまして、350ml缶の価格はなんと48円!(税込52円)  こちらのコーラは、兵庫県神戸市の「富永貿易(株)」という会社が製造しています。公式ホームページには、「カリフォルニアのきらめく陽光をイメージした商品」という記載がありました。

コーラ

LASコーラの成分表

 成分表を見ると、目を引くのは、果糖ブドウ糖液糖とは別に2つの甘味料(アセスルファムK、スクラロース)が入っていること。果糖ブドウ糖液糖は、トウモロコシやさつまいもなど自然由来のものを原料とした糖類、別の2つの甘味料はいわゆる人工甘味料です。

激安コーラを実際に飲んでみた

コーラ

コカ・コーラに比べて発泡が強い印象

 とはいえ肝心なのは味。まず、グラスに入れると際立つのは発泡の強さ。グラスに入れてから1分くらいは、ずっとシュワシュワしていました。  味については、コカ・コーラよりも全体的に軽い印象。でも、酸味やフルーティーな風味はこちらのほうが強く感じました。「全体的に爽やか」と言いましょうか。  ここでふと思いました。この“軽み”に何となく覚えがある……。もしかすると「ゼロカロリーコーラ」に似ているのでは?

ゼロカロリーコーラも飲み比べて検証!

コーラ

自販機だと350mlで140円

 というわけで急遽買ってきました! 自販機で購入した「コカ・コーラ ゼロ」の値段は350mlで140円。  成分を見ると、やはりLASコーラと同じ人工甘味料(アセスルファムK、スクラロース)が使われています。これで味が似てたら、違いは値段とカロリー、糖質だけとなりますが……。いざ、実飲!

コカ・コーラ ゼロ

グラスに注いだ「コカ・コーラ ゼロ」

 人工甘味料特有の、舌にべったりと残るような後味が強い印象です……。好みの問題は多分にありそうですが、このあたり、正直LASコーラは上手いことやってるんだなあという印象を持ちました。  ちなみに、調べてみるとLASコーラにもゼロカロリーが存在するようです。

成城石井で購入した「伊良コーラ」とは

コーラ

成城石井で購入した「伊良コーラ」。250mlで288円(税込)

 それでは最後に高級コーラを飲んでみます。今回セレクトしたのは「伊良(いよし)コーラ」です。高級スーパーでおなじみの成城石井で購入しました。価格は250mlで288円(税込)。激安コーラの5倍以上ですね。  でも、クラフトコーラには1本400~500円する品も存在するので、価格的には良心的なほうかもしれません。

成分表にはコーラの語源となった「コラの実」も

伊良コーラ

伊良コーラの成分表

 成分表を見てみると、とにかく長い!  コカ・コーラの際に言及したスパイス、柑橘類のほか、高麗人参も入っているようです。  そして「コラの実」この実こそが、何を隠そう“コーラ”の語源なんですよ。  コラの実は「コーラ・ナッツ」とも呼ばれ、興奮作用のある嗜好品として、古くからアフリカで用いられていたのだとか。栗の中の実ほどの大きさで、断面が赤っぽいのも特徴です。

高級コーラを実際に飲んでみた

コーラ

グラスに注いだ「伊良コーラ」

 注いでみたところ、ジンジャエールのような色で、いわゆる“コーラの色”ではありません。いざ、実飲!  味わいは、スパイスの漢方っぽいグラデーションに、甘み・酸味はリンゴやみかんのジュースのようにナチュラルなのに濃厚。コーラでありながら、健康に良さそうな味がします。  缶に載っていた「漢方職人の祖父の技術を受け継いだ」というコメントにも頷けますね。他のコーラとはそもそも、目指す方向が違っていそうです。

激安コーラはコスパ良好

 結論を言うと、あくまで今回試した激安コーラの「LASコーラ」に関しては、かなりコスパがいいと感じました。味わいにも、ちゃんと別のキャラクターがあります。  爽やかなコーラをゴクゴクいきたいときはLASコーラ、「カロリーが気になるけどコーラが飲みたい!」という人はゼロカロリー、複雑な味わいをじっくり愉しみたいならクラフトコーラを飲んでみてはいかがでしょうか。 文/川瀬章太

川瀬章太

フリーライター。神戸・大阪の編プロに8年勤務し、グルメ・街ネタ誌や飲食業界誌などを手がける。取材経験は1500件以上。某純文学新人賞の最終選考に3度残ったことがある。現在はWEBサイト「LIQLOG」などで、ビギナーにやさしいお酒の基礎知識や取材記事を執筆中

X(旧Twitter):@kawase_syota