これまで長期金利の上限を0.5%程度としてきたが、市場の動向によっては、上限を一定程度超えることを容認することにした。
その発表とともに、銀行のディーリングルームでは、一気にあわただしくなった。
暮らしに影響する金利の変化。
事実上の政策修正を、植田総裁は「安定的に(物価目標)2%を超えるまで拡大方針を継続します。必要あれば、ちゅうちょなく、追加的な緩和措置を講じます」と説明した。
これを受け、日経平均株価は一時、800円以上値を下げた。
では、金利が上がると、わたしたちの生活には、どのような影響があるのだろうか。
例えば、家を買うために銀行からお金を借りる場合、住宅ローンの金利が上がる可能性がある。
東京都内にある、住宅のショールーム。
2023年3月にマイホームを購入したばかりだという家族に、気になる住宅ローンについて聞いてみると、「正直ニュースを見て金利が上がるとびっくりした。この先、支払いが不安。心配になってしまった」と話した。
さらに金利が上がると、ほかの外貨より円での運用が有利になり、円高になる。
一方で、一般的に輸出でもうける企業の業績は下がり、株価の下落につながることもある。
結果として企業体力が落ちれば、従業員のお給料が減ってしまうかもしれない。
街の人は「これだけ株が下がっているところを見ると、景気に日銀が大きく影響するのかなと思う」、「早くアメリカみたいに金利を上げて、この経済を少し抑えてでも、インフレを抑えてほしい」
フジテレビ・智田裕一解説副委員長は、今回の決定のポイントを「日銀としては、今回の決定で、景気や暮らしが上向いていく道筋を確かなものにしたいとしているが、この先、実際その通りになっていくかは、注意深く見ていく必要がある」とみている。