「ビワの木は庭に植えるな」は本当? 縁起が悪いとされる理由を解説

「ビワの木は庭に植えるな」という言い伝えを聞いたことはありますか? 実は日本では、昔からビワの木は縁起が悪いと信じられてきたのです。今回は、ビワの木を庭に植えてはいけないとされていた理由を解説。併せて、他にも縁起が悪いとされる樹木を紹介します。

ビワは夏の果物として、昔から多くの日本人に愛されてきました。その実は甘くおいしいので、自宅の庭に植えようか迷っている人もいるのではないでしょうか。

しかし、昔からの言い伝えに「ビワの木は庭に植えるな」というのがあるのをご存じですか。本当にビワの木を植えると悪いことが起こるのか、気になりますよね。

この記事では、ビワの木を庭に植えてはいけないといわれる理由を解説。併せて、他にも「庭に植えてはいけない」といわれる木の種類を紹介します。

image

 

「ビワの木は庭に植えるな」といわれる理由

古くから、ビワの木は縁起が悪いとして庭に植えることを避けられてきました。その理由には諸説あります。ここでは、代表的な3つの説を見ていきましょう。

 

(1)日当たりが悪くなるから

image

1つ目の説は、ビワの木を庭に植えると日当たりが悪くなるというものです。ビワの木は、季節を問わず1年中枯れない常緑樹であり、葉も大きく密生して育つので、日差しを遮ってしまいます。

そのため、特に夏場は家が日陰になって湿気が充満し、それが原因となって家族に病人が増えてしまうとされていました。

また、電気がない時代には太陽光を頼りに生活していたため、日当たりが悪くなると、家の活気が失われるように感じられました。このことも、縁起が悪いとされる理由のようです。

 

(2)病人が寄ってきて病気を移されるから

image

2つ目の説は、ビワの木を庭に植えると病人が家に寄ってきて、家族に病気がうつってしまうからというもの。なぜ病人が寄ってくるかというと、ビワ葉は古くから健康に良いとされていたからです。

そのため、庭にビワの木を植えておくと、その葉を求めて方々から病人が家に訪れ、家族に病気がうつってしまうとされていたのです。

 

(3)お寺や医者によるネガティブキャンペーン

昔は、ビワの実や葉を利用して疫病治療を行っていたお寺や医者が存在したようです。彼らにとってビワの木は大切な商売道具なので、一般家庭にビワの木を植えられると商売が成り立ちません。

そのため、「ビワの木を庭に植えると縁起が悪い」といううわさをわざと広めたという説もあります。現代の言葉で言うと、自分の利益のために他を貶めるネガティブキャンペーンですね。

他にもある? 庭木に適さないとされた樹木

「庭木として植えるのに適さない」といわれてきた樹木は、ビワ以外にもいくつか存在します。

ここでは、代表的な3種類の樹木と、そういわれていた理由を紹介していきます。

 

(1)桜

image

日本人にとって「桜」は良いイメージがありますが、庭木として植えるのは縁起が悪いとされていました。その理由は桜の花が「散る」から。

桜の木を庭に植えると、桜の花と同じように家族が散り散りになり、家が廃れてしまうと信じられていたのです。

また、桜があまりにきれいすぎるため、桜の木の下には死体が埋まっている、鬼が住んでいるなどと、かえってネガティブなイメージが喚起されていたのも理由の一端と思われます。

 

(2)ザクロ

image

ザクロは、その特徴的な実の形状から庭に植えると縁起が悪いと信じられてきました。

また、ザクロは熟すと実が割れるので、「身が割れる」という連想から、家族に病人が増えるとも思われていたようです。

 

(3)サルスベリ

夏に美しい花を咲かせるサルスベリも、庭に植えるのは縁起が悪いとされています。サルスベリという名称から「滑る」が連想され、運気が低下したり受験に落ちたりといった悪い影響があると考えられていました。

また、スベスベした幹が人肌のようで、「家族の生気を吸って育つ」と考えられていたのも理由の1つでしょう。

 

ビワの木を庭に植える時は自己責任で

ビワの木を庭に植えることは、古くから縁起が悪い行いとして避けられてきました。その木を庭に植えると、家族が病気になったり、外から病気を移されたりすると信じられ、高齢の方を中心に、現在でも抵抗を持つ方が存在しています。

しかし、ビワの木を庭に植えてはいけないという科学的な根拠はありません。

とはいえ、長年語り継がれてきたからには、何かスピリチュアルな理由があるとも考えられます。ビワの木を自宅の庭に植える際は、くれぐれも自己責任で行うようにしましょう。

(LIB_zine)
※画像はイメージです