限度額を超えたら“高額介護サービス費”が戻ってくる…お盆のタイミングで“知っておこう”

ファイナンシャルプランナーの大川真理子です。
2022年の1年間で、日本人の人口が80万人も減っているとのニュースを見ました。
高齢化とコロナが影響しているそうです。
また、2040年には65歳以上が全人口の35%となるともいわれています。
超高齢化社会の渦中では「介護」は、家族全員で考える必要のあるトピックスです。

日常生活に誰かの助けが必要かも?と思ったら

一人で出来ないことが増えてきたかも・・と感じたら、まずは地域包括支援センターへ相談してみましょう。
地域包括支援センターは、今住んでいる地域で自立した生活を続けられるように支援してくれる、高齢者の相談窓口です。
市町村のウェブサイトにセンター拠点の一覧があり、相談は無料です。
それでも解決せず、介護が必要かもしれないと判断した場合は、市町村の窓口で要介護認定の申請をします。
その後、市町村の調査員が介護を必要とする本人と面会をし、審査を経て、要介護度の判定を出します。
判定をもとに、介護サービス計画書を作成して、実際に介護サービスを利用するという流れです。
なお、介護サービス計画書の作成は、公的介護保険で全額まかなわれますので利用者の負担額は0円です。

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介護にかかる費用と期間の平均は?

公的介護保険を利用すると、介護サービスの自己負担額は利用料の1割です。
(一定所得以上の場合は2割あるいは3割)
公益財団法人生命保険文化センターによると、介護に要した費用の月平均は83,000円ですが、約20%の方は必要な費用が月平均25,000円未満で収まっています。
また、介護の平均期間は5年1カ月ですが、47.9%の方が介護期間4年未満となっています。
その他に、自宅を改造する、介護ベッドを購入するといった、一時的な費用の合計は平均74万円ですが、
在宅介護にかかる月平均の費用は48,000円、施設での月平均費用は12万2,000円です。
介護サービスの内容や量、場所によって額は変わりますが、平均的な費用や期間は、将来介護を受けるかもしれない側も、介護をするかもしれない側も、情報として共有しておくといいかもしれません。

払いすぎた額を戻してもらえる「高額介護サービス費」制度がある

例えば、介護サービスを受けた本人または、同一世帯の方の所得が380万円未満の場合、介護サービスの自己負担限度額は一か月あたり44,400円と決まっています。
もし、自己負担限度額以上に支払った場合は、お住まいの地区の保健福祉課に申請すると、超えた額が戻ってきます。
これが「高額介護サービス費」制度です。
なお、自己負担限度額は所得によって区分けされており、厚生労働省のウェブサイト等で確認ができます。

公的介護保険制度を理解し、周りの人と話をすることが大切

介護

「介護」というと、先のことが分からず不安になりがちですが、必要以上に老後資金について恐れたり、
民間保険を過度にかけるといったことは避けましょう。
大切なことは、利用できる公的介護保険制度を理解し、不足分だけ準備していくといった心がけです。
家族や周りの人と、時間を見つけて大切な将来の話をしてみませんか。

大川真理子

ファイナンシャルプランナー

グッドライフプランニング代表。 関西出身、札幌在住。テニスと犬が好き。 北海道新聞主催資産運用フェア相談員。 道立高校などで投資の授業も担当し、 金融リテラシー(金融に関する知識や判断力)の向上に力を入れています。 保険や金融商品の紹介はせず、皆さんの生活に役立つ情報を発信します。