どんな意味?「ベーシックインカム」──【ビジネス・カタカナ用語】

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“すべての国民が豊かになる制度”と言われるこいともある「ベーシックインカム」。海外では試験的に導入している国もあり、日本でも、新型コロナウイルスの感染拡大を機に、必要性を指摘する声があがりました。少子化対策にもつながると言われていますが、詳しい意味を知っていますか。

「ベーシックインカム」は取りこぼし無し

「ベーシックインカム」とは、政府がすべての国民に生きていくために必要なお金を、無条件で持続的に配る制度です。「ベーシック」(基本)と「インカム」(所得)からなる言葉で、一律所得保障と訳されることもあります。

支給されるのは現金のみで、クーポンなどは対象外です。もらう額や条件はすべて同じで、年齢、性別、就労状況のほか、所得水準や資産の有無などで変わることはありません。

日本の例では、1回限りでしたが2020年にコロナ禍の緊急経済対策で全国民に配った一律10万円の特別定額給付金が、ベーシックインカムのようなものと言えるでしょう。

生活保護制度とはどう違う?問題は財源

よく比べられるのが生活保護制度ですが、これと比べると、ベーシックインカムは一律に配るため、受給資格者の選別や審査などの作業に時間を取られないため、行政コストも減らせます。また、継続的に給付が行われることにより経済的な不安が減るため、少子化対策にもなると期待されています。

一方で、膨大な財源の確保の問題や、継続的な給付が国民の労働意欲を奪い、労働者不足に陥る可能性も指摘されています。

文/編集・dメニューマネー編集部