木材産出額、宮崎県が初の1位 背景に世界的「ウッドショック」

宮崎県内のスギ丸太=同県提供

宮崎県の木材の産出額が北海道を上回り、統計がある1986年以降で初めて全国1位になった。新型コロナウイルスの影響で物流網が混乱するなどし、世界的な木材価格の急騰「ウッドショック」によって、県内で主力のスギ材が大幅に値上がりしたことが背景にあるとみられる。

農林水産省が2月に発表した2021年の都道府県別の林業産出額のうち、パルプ材や輸出丸太などの木材生産部門で、宮崎県が前年比1・6倍増の321億円に上った。2位は北海道(314億円)、3位は大分県(170億円)。熊本県は4位(168億円)、鹿児島県は7位(97億円)だった。

宮崎県によると、21年9月に県内のスギ丸太(約4メートル)が1立方メートル当たり2万900円の高値を付け、前年同月比約1・6倍に跳ね上がった。建築用に使う国産材の引き合いが強まる中、主力木材がマツの北海道より、スギの南九州で先行して取引価格が上昇したという。

宮崎県はスギ丸太の生産量でも31年連続全国1位となっている。河野俊嗣知事は「国産材供給のトップランナーである本県にとって大変誇らしいこと。今後も需要拡大や循環型林業の推進に取り組む」とコメントした。【塩月由香】