車の窓が凍ってる! 早く解かす方法は ワイパー禁物 “9割時短”の神アイテムも

関東の平野部でもクルマの窓に霜が降りることがあります。さらに小雪が降り積もり、霜と一緒に凍結すれば、解氷には時間がかかります。短時間で効率的に解かす方法はあるのでしょうか。ワイパーは動いたとしても、使用はNGです。

窓凍る、ワイパー張り付く…動いたとしても作動NG!

 夜間や早朝の気温が0度を下回る時期になると、クルマのウインドウに真っ白な霜が降ります。朝、いざ通勤しようという時には焦ってしまうかもしれません。さらに霜だけではなく小雪も積もって一緒に凍結していると、手で擦る程度では除去できません。

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1月末の関東平野。小雪が降り、氷点下の気温でクルマのウインドウが凍結する(小林祐史撮影)。

 そうした場合、凍結箇所にお湯をかけることや、金属製の工具で霜や小雪を削ったりするとクルマにダメージを与えてしまいますが、ワイパーを使うのも実はNGです。ワイパーが仮に動いたとしても、霜と小雪が凍結した状態では、ウインドウォッシャーを噴射しながらワイパーを作動させても凍結箇所は除去できません。それどころか、ワイパーブレードが傷ついたり変形することもあります。

 最悪の場合、ワイパーを動かすモーターが焼き付くなどの故障を招く危険もあります。雪と一緒に凍結した霜は厚みがあり、表面は平滑でありません。それにワイパーが引っかかると、モーターの動きに対しワイパーが正常に動かなかったり、止まった状態になったりします。その負荷でモーターが焼き付いて壊れる、もしくはワイパーとモーターの位置合わせがずれるという故障を招きます。

 位置合わせがずれるというのは、ワイパーを停止したときにウインドウの下側の定位置に戻ってこなくなったり、いつもどおりの一定の範囲を拭いてくれなくなるということです。もしモーターが焼き付いた上に、凍結した霜と小雪もほとんど取れなかった――そのようなことになったら最悪です。

「解氷スプレー」あるとないとじゃ大違い!

 まずは、ウインドウの凍結を取るためにスノーブラシと解氷スプレーを用意しましょう。道具をそろえたら、エンジンを始動させてエアコンをオンにします。このときエアコンのモードはフロントウインドウの曇りを取り除く「デフロスター」にします。リアウインドウも凍結している場合は「デフォッガー」のモードも併用します。

 この際、エンジンをオフにしてエアコンのみオンにするのは避けるべきです。その状態ではエアコンを作動させる電力はバッテリーに蓄えられた分のみになります。エンジンからの充電なし、それに加えて低温状態で酷使することになり、バッテリーの上がりや劣化を促進させます。

 また、エンジンを始動させる前に、マフラー出口が雪などに埋もれていないことの確認も忘れずに。もし埋もれていたら、排気ガスが車内に入り込み、一酸化炭素中毒となる危険があります。

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こうなると、まずは雪を落としてからだ(画像:写真AC)。

 さて、デフロスター、デフォッガーで凍結が解けてきたらスノーブラシの先端がゴムになっているほうで凍結を取り除いていきます。ただJAF(日本自動車連盟)の実験によると、デフロスター、デフォッガーだけでウインドウの凍結を解氷させようとすると約10分を要するといいます。それに対して解氷スプレーを使用することで、その時間は1分にまで短縮できるという実験結果が出ています。これぐらいの時間であれば、出勤前に作業を済ませることができるでしょう。

 年に数回程度の霜、凍結に見舞われるような地方では、解氷スプレーを常備している人は少ないかもしれませんが、冬の忙しい朝、思わぬ困難に遭遇しないために、購入しておくことをおすすめします。

【了】