17年越しの「伏線回収」!一級建築士にして元とび職・歌代隼人が贈る、熱いアンサーソング『伸び代』

17年越しの「伏線回収」!一級建築士にして元とび職・歌代隼人が贈る、熱いアンサーソング『伸び代』

17年越しの「伏線回収」!ある芸人との出会い

歌代隼人さんのユニークなキャリアを語る上で、外せないエピソードがあります。2009年、かつて所属していたバンドをクビになり、トランペットを持ってヒッチハイクの旅をしていた若き日の歌代さん。道頓堀で当時まだ無名だった芸人と出会い、橋の下で語り合った夜がありました。その別れ際、歌代さんがトランペットを高らかに吹き鳴らした光景が、実はその芸人のネタのイメージ源となっていたのです。

17年の時を経て、その芸人本人から「この空気感のネタは俺の脳内では歌代隼人とのあの夜のイメージ!!」「あの日のことを歌詞にしてほしいわ」と伝えられ、歌代さんはアンサーソングとして『伸び代』を制作しました。さらに、ボーカル抜きのインストゥルメンタル音源を芸人に託し、「好きに料理してくれ」というメッセージを送ったといいます。17年前に橋の下で始まった二人のジャムセッションは、形を変えて今も続いています。

この曲の制作背景について、さらに詳しく知りたい方は「伸び代【裏セルフ・ライナーノーツ】」をご覧ください。

建設現場で培われた「伸び代」

本作『伸び代』は、歌代さんが12年前に一作業員(とび職)として携わった建設現場に、再び「一級建築士」として修繕工事の現場管理を担当することになった、運命的なタイミングで制作されました。かつて基礎作りで泥にまみれていた歌代さんが、今は工事の施工を管理する立場として同じ場所に立つ。その成長を噛み締め、28歳から始めたギターで自ら長尺のソロを弾き倒す姿は、まさに人生の「伸び代」そのものを体現しています。

コンクリートの階段に座り、アコースティックギターを抱えて物思いにふける歌代隼人さん

同級生の活躍が呼んだ「なまら悔しかった」想い

コロナ禍の夏、歌代さんは建設現場で汗と埃と泥にまみれていました。耳元のイヤフォンから流れていたのは、YouTubeで生配信されていた2022年の夏フェスの音。ステージには、大学で切磋琢磨した同級生、toconomaのギタリスト石橋光太郎さんが立っていました。画面の向こうで最高のサウンドを鳴らし、大勢の観衆の拍手に包まれる石橋さん。対して歌代さんは、電動工具の音にかき消されそうなイヤフォンの音を頼りに、その輝きを「現場」から見上げていました。

「素晴らしい」と心から思った一方で、それ以上に「なまら悔しかった」という感情が込み上げたといいます。この悔しさは、石橋さんへの嫉妬ではなく、敬愛する兄を亡くし、自分の中にあるはずの表現に自らマスクをしてしまっていた自分自身への猛烈な怒りでした。この経験が、歌代さんが自身の悔しさを直視し、『伸び代』という言葉で肯定するきっかけとなったのです。ちなみに、歌代隼人さんの2ndシングル『真夜中』のジャケットは、石橋光太郎さんがデザイナー「LIGHT QUEST」として協力しています。

青みがかったトーンで、アコースティックギターを演奏する人物の手元がクローズアップされた『真夜中』のジャケット

ブルーカラーソウルは、エコーを分け合うやつらの歌だ

「ブルースのヨレた三連符は、労働者が痛めた足を引きずるリズムだ」という、手稲のLive Bar JIVE店主でありギタリストの橘一元氏からの言葉が、歌代さんの音楽の核心となっています。重い資材を運び、足腰を痛めながらも一歩を踏み出し続けていた、10数年前の自身の足取り。それこそが、綺麗に整えられた設計図には描けないグルーヴとなりました。

吉田耕爾氏(JERRY “KOJI” CHESTNUTS)が営むネオ酒場ワルツのオープンマイクで喉を研ぎ澄まし、札幌ハードコアの象徴・SLANG KO氏からULTRA-VYBEを紹介されたことで、橋の下でエコーを分け合った何者でもなかった男たちのブルーカラーソウルが誕生したのです。

DIY精神へのリスペクトを込めたアートワーク

ジャケット写真は、DIYの先駆者であるパンクバンドへのリスペクトを込め、「ニッカポッカとアコースティックギター」という歌代さん自身のアイデンティティを掛け合わせたオマージュ作品です。かつて現場で打ちのめされた歌代さんの記憶を再現しており、建設業と音楽、その両輪で自身の人生を「DIY(自力)」で切り拓いてきた歌代さんの生き様そのものを象徴しています。

錆びた金属の壁を背景に、ブルゾンとデニムを着用した歌代隼人さん

歌代隼人さんからのコメント

歌代隼人さんは、今回のリリースに寄せて次のように語っています。

「週6日の工事現場に追われ、埃をかぶったギターとともに、私の音楽は長く凍りついていました。しかし、負けても人生は続きます。穴の空いたニッカポッカが『ヴィンテージデニム』になるように、残っているのは『伸び代』だけです。あいつらの活躍が『魂』に火を点けて、凍った建築を溶かして音楽に戻してくれました。かつての私のように、スポットライトを浴びる他者との比較に心を凍らせている人が、再び前を向くための熱を受け取ってほしい。そして挫折を『伸び代』と捉え直してくれたなら、これ以上の喜びはありません。」

楽曲配信リリース情報

項目 詳細
アーティスト名 歌代隼人
タイトル 伸び代
配信開始日 2026年2月11日(水)
ジャンル SOUL / R&B
レーベル Japaneez Art Records

各種配信サービスで聞くことができます。

アーティスト・プロフィール

歌代隼人(HAYATO UTASHIRO)| Guitar, Vocal

1984年生まれ、群馬県出身。札幌市在住。多摩美術大学彫刻学科卒業。「歌代想建」代表 / 自主レーベル「Japaneez Art Records」主宰。「社会彫刻」の概念に影響を受け、3.11後に建設業界へ。一級建築士にして、一級とび技能士。肉体労働者の誇りを取り戻す「ブルーカラーソウル」を提唱。現場監督とシンガーソングライターとして活動しています。

歌代隼人さんの最新情報は、以下のリンクからチェックできます。

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