日銀・植田総裁は“学者然”抜けず 黒田緩和10年から何も学ばない「ノンビリ検証」にがっかり

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討」ばかり(日銀の植田和男総裁)/(代表撮影)拡大する

 中央銀行トップにふさわしいのか──。戦後初の学者出身の日銀総裁として期待を集めた植田和男氏。学者癖が抜けないのか、金融政策の最高責任者とは思えない姿勢が目につく。
 日銀本店で5月31日に開かれた「国際コンファランス」で驚きの発言が飛び出した。黒田前総裁が10年続けた異次元金融緩和について、植田氏は「継続」を明言している。こうした非伝統的な金融政策について植田氏はこう言ってのけた。
■「メカニズムは解明されていない」
「多くの実証分析は、これらの施策が需要喚起の面で一定の有効性を持つことを示しています。その一方で、そのメカニズムは現在でも十分に解明されているとは言えない。非伝統的な金融政策は、実践の積み重ねが少ないなど課題があり、今後のさらなる理論構築・検証が求められます」
 メカニズムが分からないのに「異次元緩和」をダラダラ続けるつもりなのか。
「驚きました。今後検証するとのことですが、黒田氏による10年もの“壮大な実験”から何も読み取れないのか。黒田氏の非伝統的な異次元緩和でハッキリしたことは、緩和策だけでは需要は喚起されないということ。アベノミクスは、市場にお金をジャブジャブにするだけで、2度の消費税増税により景気を冷え込ませ、成長産業も育たなかった。植田氏がファクトを直視せず、前任の政策を惰性で継続しているとみられても仕方がありません」(金融ジャーナリスト・森岡英樹氏)
 植田氏自身、かつて米ウォールストリート・ジャーナルに「景気回復には金融政策以外の理由が必要だ」と寄稿。金融政策の限界を十分認識していたはずだ。こうした学者としての知見を生かしたアクションが求められているのに、動きは鈍い。
「植田氏は速水総裁時代から25年に及ぶ低金利策について、1年から1年半かけて検証するとの方針を示しています。しかも、その検証は政策変更に直結しないという。あまりにノンビリしています。日銀総裁は日々変化する経済・金融情勢に素早く対応しなければならない。“学者のノリ”で仕事されては困ります」(森岡英樹氏)
 マクロ経済学の分野では世界的な学者である植田氏。学者に戻り、腰を据えて非伝統的な金融政策を研究する方が世のためになるんじゃないか。